コミュニティ上のオンライングルーミング(online grooming)対策 コミュニティ上のオンライングルーミング(online grooming)対策

コミュニティ上のオンライングルーミング(online grooming)対策

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未成年者がオンライン上で過ごす時間が増えている中で、チャイルドグルーミング(child grooming)がますます広がっており、深刻な問題となっています。ZEPETO(ゼペット)では、コミュニティガイドラインにおいて未成年者の安全がZEPETOにとっての主要な優先事項であることを強調しており、未成年ユーザーの安全を保つ方法についての有用な情報やリソースを保護者の皆様に提供するために保護者向けガイドを発行しました。ZEPETOの信頼と安全(Trust and Safety)チームでは、24時間、世界中で児童の性的搾取や虐待を行うアカウントの防止、検出、削除を行っています。 

ZEPETOのミッションは、ZEPETOのユーザーが物理的な世界の境界を越えて創造、コネクション、プレイができるようにすることですが、ZEPETOでは創造性や表現を育む技術が悪意ある者によって悪用される可能性があることを認識しています。

ZEPETOでは、ZEPETOプラットフォーム上でのオンライングルーミング(online grooming)対策のための技術開発に多くの投資を行っていますが、こうした加害行為への対策には人間としての節度や技術力以外にも、認識、注意やサポートが必要となります。

私たちの生活において、物理的生活とデジタル生活が密接不可欠になってきていることから、物理的世界とまったく同様にデジタル世界でも危険が存在することを認識する必要があります。しかしながら、デジタルではアクセスが急激に容易になり、頻度が高まり、可視性が低くなっていることによって、デジタル上の脅威が浸透してきています。スマートフォンやコンピューター上の情報は、加害者にとって欺罔的な偽装となる可能性があり、私たちはこれに対する対策についてダイナミックにコラボレーションしていく必要があります。

そこで、ZEPETOは私たちのコミュニティとして非難されるべき加害者に対する対策を行うとともに、オンライングルーミングによってZEPETOのユーザーが被害を受けないようにするためのリソースを提供したいと思います。

ZEPETOでは「オンライングルーミングとは、どのようなものか」、「オンライングルーミングを検出する方法」、「お客様本人やお客様にとって大切な方が潜在的なグルーミング加害者から接触を受けた場合にはどうしたらよいのか」について、主導的な団体のリソースを収集することにしました。

 

チャイルドグルーミング(child grooming)とは、どのようなものか [1]?

Childline.org.uk (イギリスのチャイルドライン)の定義では、オンライングルーミング(online grooming) とは、未成年者に対してインターネットを用いてだましたり、強制したり、プレッシャーをかけて、未成年者の裸のビデオや画像を送付させるなどの性的行為を強制することをいいます。グルーミングの多くは、始まった時点で認識することが難しいものです。これは「グルーマー」(=グルーミング加害者)が、被害者との間で精神的なコネクションを作り、信頼関係を築いてから性的な言及を始めていくからです。一貫性のあるコミュニケーションと関係を築いた後で、「グルーマー」は以下のことを行います。

  • オンラインまたはテキストメッセージでの性的な会話
  • 被害者に対して、裸の画像を送付するように促したり、強制すること(通称、セクスティング(sexting)
  • 被害者に対して、性的なビデオを送付するように促したり、強制すること
  • 被害者に対して、ウェブカメラに映るように性的な行為や行動を行うように促したり、強制すること
  • 被害者に対して、直接対面で会うように促したり、強制すること

 

グルーミングの段階 [2][4]

段階

説明

ターゲティング(目標を設定する)

グルーマーが、自らが認識した未成年者の脆弱性(愛情に飢えている状態、孤立・隔離された状態、ネグレクト、家庭生活の混乱した状況、親の監督不在など)をターゲットにして付けこむことがあります。

加害者は、未成年者に対して特別な注意を払ったり、未成年者を選好したりします。

信頼を獲得する

加害者は、未成年者に関する情報を集めたり、そのニーズを把握したり、ニーズを満たす方法を見出すことによって、未成年者の信頼を獲得します。

「君のフィードで、君がこの俳優の大ファンだということがわかってね。実はその俳優の新しい映画を見に行く予定なんだけど、君が行きたければ連れて行ってあげるよ。」

ニーズを満たす

加害者が未成年者のニーズを満たし始めると、加害者は未成年者の生活において重要性とプレゼンスを高めていくことができます。加害者はプレゼントをあげたり、お世辞を言ったり、金銭を与えたり、他の基本的なニーズを満たすなどの戦術を用います。また、戦術にはターゲットの未成年者に対する注意や愛情を高めていくことも含まれます。

「僕は君が自分のアバターに〇〇をデコレーションしたいということを知っているよ。だからこの新しいアイテムを君にプレゼントするね。」

隔離する

グルーマーは、自分と未成年者だけでいる状況を作り出すことによって、未成年者との関係を強化するための隔離戦術を用います。グルーマーは、自分や他の者が(未成年者の親であっても)できない方法で未成年者を愛して理解しているという感覚を培うことによって、未成年者との関係を強化することがあります。

「僕が君のことを理解しているように、理解している人は他にいないんだから君は僕を信頼することができるんだよ。」

関係を性的なものにする(セクシャライズする)

精神的な依存と信頼が確立すると、グルーマーは、関係を性的なものにして(=セクシャライズ(sexualizes)して)いきます。 グルーマーは、性的に露骨な話をするようになり、それによって性的な活動に言及しても未成年者がそれに鈍感になるようにしていきます。この時点で、グルーマーは性的な画像やビデオを求めたり、または、自分の画像やビデオを送付するようにもなることがあります。

「自慰をしたことはある? どれだけ気持ちのいいものか教えてあげよう。」

コントロールを維持する

性的な虐待がなされるようになると、グルーマーは未成年者が自分との関係を保ち沈黙を続ける状態を維持するために、関係を秘密にしたり、非難、脅しを用いるようになります。被害者はグルーマーとの関係を失ったり、そうした関係が表面化する結果として、虐待を継続して受けるよりもさらにひどく傷ついたり、屈辱を受けてしまうことがあります。

「君が誰かに話しをすれば、僕たちは二人とも刑務所に行くことになるよ。そうしたら一緒にいられなくなるよ。」または、「君が誰かに話しをしたら、君の家族に良くないことが起こるかもしれないよ。」

 

注意すべき危険信号

グルーミングの状況がどのようなものかはそれぞれ異なります。グルーマーがどのような者かを一言で説明することはできません。年齢が高いこともあれば若いこともあり、男性の場合もあれば女性の場合もあり、オンライン上で出会った者の場合もあれば、未成年者(被害者)本人の知人である場合ですらあるのです。グルーマーによる行為は危険なものです。なぜなら、被害者側で自分がグルーミングの被害に遭っていることを認識することが難しいことが多いためです。覚えておくべきことは、オンライングルーマーは欺瞞、ごまかしのエキスパートであり、自分が何者であるかについて嘘をつき、自分自身の本当の意図を隠蔽しているということです。
未成年者(被害者)がオンライングルーマーの接触を受けたのかどうか、または関係を持ったのかどうかを特定するうえで役立つ危険信号にあたる行動のリストは、以下のとおりです。

  • オンラインで最近出会った相手が複数のメッセージを送ってきている場合
  • 相手が自分との会話を秘密にするように言ってくる場合
  • 部屋に一人でいるかどうかを知るための質問を相手がしてくる場合
  • 過去の性的な経験に関する称賛や質問に見せかけた性的なメッセージを相手が送ってくる場合
  • (未成年者/被害者)本人やその住所に関する個人情報を相手が取得しようとしてくる場合
  • (未成年者/被害者)本人の意思に反して写真を送付させるために相手が操ろうとしてくる場合、または、(未成年者/被害者)本人がそれまで相手にシェアしていた写真を用いて相手が脅迫をしようとする場合
  • プレゼントを贈呈してくる場合(大小を問わず):加害者を信頼させるために未成年者や被害者を嬉しがらせるために用いるグルーミングの技法

 

どうしたらよいか?
お客様(未成年者)がこの投稿で言及された加害者からの接触を受けたことがあると思う場合、または現在、加害者と接触していると思う場合には、潜在的なオンライングルーミングの状況を特定している可能性があります。

お客様(未成年者/被害者)ができることは以下の通り、いくつかあります:

ZEPETO上で:

  • ブロックする:気が進まず、その者とのやり取りをしたくない場合にはZEPETO上でそのユーザーをブロックすることができます。こちらから、ZEPETO上での他のユーザーのブロック方法を参照してください
  • 通報する: ZEPETO上でオンライングルーミングの可能性がある体験をした場合、またはそうした可能性がある状況を目撃した場合には、ZEPETOで当該ユーザーについて通報してください。その場合には、ZEPETOにて調査を行い、問題の人物をZEPETOのプラットフォームから排除することができます( ZEPETO上での通報方法)。 お客様は一人ではありません。私たちは、私たちのコミュティ全体を一緒に守っていくことができるのです。

一般的なガイドライン:

  • 相手に対して止めるように求める:最初のステップとして、お客様(未成年者/被害者)が自分自身で状況を対処したいと思うかもしれません。自分でできると思う場合には、相手に止めるように求めることができます。例えば、自分の性的な画像を送付するのが嫌だと伝えることができます。同時に、ZEPETO上でそのユーザーをブロックする選択をすることもできます。
  • 信頼している大人に話をする:グルーマーがお客様(未成年者/被害者)に話をし続けてくる場合には、信頼している大人に話したり、通報することが最善であることがあります。大人に話すことが怖かったり、恥ずかししく思えたり、トラブルとなるのが怖いと思うことがありますが、誰かのサポートを得てグルーマーを表面化させることでつらくて嫌な状況から脱することができるようになります。
  • 警察に通報する:危険が差し迫っている、または脅威が差し迫っていると感じる場合には以下の地元の緊急サービスに通報してください。
    • アメリカ: 911
    • 韓国:112
    • インドネシア:110または 112
    • タイ:911または 191
    • 日本:110
    • 上記以外の国についてはアメリカ国務省の国際緊急連絡先をチェックしてください。
  • 介入する:お客様の友人がオンライングルーミングの被害を受けているのを目撃したり、そうした疑いを持った場合には、お客様自らが継続することを防ぐことができます。嫌でなければ、お客様の友人のために介入してグルーマーに対して直接加害行為を止めるように、または、「そうした状況を認識しているから通報する」ということを伝えることができます。それ以外の方法としては、お客様の友人に上記のステップを伝えたり、支援してくれる大人を信頼して打ち明けることもできます。グルーミングの被害に遭うことは、恐ろしくつらい体験です。お客様がそうした被害者とコミュニケーションを行うにあたって、どのような視点に立ったり、どのようなアプローチを取ったらよいかを知るうえで、以下の質問を自問するといいでしょう。
    • 自分が被害者の立場であったらどのように感じるだろうか?
    • 自分が被害者であったら、自分の友人から助けてもらいたいときにどのように思うだろうか?
    • 他人の気持ちはわからないけれども、被害者の気持ちが楽になるように自分がサポートするにはどのようにすればよいであろうか?

 

最後に

オンライングルーミンに対する対策が手に負えないもののように感じられますが、ありがたいことにサポートをしてくれるダイナミックなエコシステムとして、NGOから法執行機関やテック企業など、非常に多くの団体があります。それらの団体はデジタル時代における児童の性的搾取に対するZEPETOの対策を支援し強化してくれています [5]。ZEPETOでは、こうした団体の多くと密接に連携してZEPETOのユーザーがメタバースで楽しく冒険を安全に行って、そのアイデアを実現できるように確保していきます。

お客様またはお客様の知人の方がオンライングルーミングのサバイバー(元被害者)である場合には、お客様/知人の方がそのような被害を受けるようなことは何もしておらず、こうした状況を抜け出すためにはとてつもない力と勇気が必要であることを忘れないでください。一人一人のお客様の存在が大切ですので、コミュニティとしてお客様をサポートしていきます。

お客様がオンライン上で児童の性的虐待の画像やリソースを見つけた場合には、以下の通報窓口から通報してください。


参考資料

[1] Online Grooming. Childline.org.uk.

[2] GROOMING AND RED FLAG BEHAVIORS. Darkness To Light.

[3] EVERYTHING YOU NEED TO KNOW ABOUT ONLINE GROOMING. Innocent Lives Foundation.

[4] What is Grooming? Signs to Look for With Sexual Predators. Bark.us. 2015-01-03.

[5] Online grooming: What it is, how it happens, and how to defend children. Thorn. 2020-06-15